2012年11月18日日曜日

ロルファーの視点!? ベリーダンス

久々にダンスを観てきました。

しかも、ベリー・ダンス!

中東あたりが発祥のダンスで、

オリエンタル・ダンスとも呼ばれる

らしいです。



衣装は、曲目によって異なるようですが

おなかを出して踊るイメージが一般的

なのではないかなと思います。

セクシーさばかりが目立つ感もありますが、

その動きは、なかなか緻密で難易度の

高い振付が多いのではないかというのが

今回、観賞しての感想です。



以下は、自分なりに気づいたことのメモです。


ベリーダンスを美しくみせる要素として、


① 体幹(腰まわりや肩甲帯)を動かしながらも

  ラインを保っている。

 → 身体全体では、安定しているので、しなやかで

   優雅にみえます。


② 骨盤をシェイクする動きが多用されていて、

  股関節や腰部、特に腰方形筋や腸腰筋の柔軟性や

  協調性がある。


③ 身体のスリーブ(表層)とコア(深層)が、分離している

  (互いが、干渉されることなく動くことができる)

 
といったことがあるのだろうと思います。



ひとつひとつの振付動作は、見よう見まねで、誰でも

可能なのですが、①~③の要素はすぐには身に付きません。

つまり、ベリーダンスの動きの特徴である妖艶さを表現することは

できないのだろうと思います。



体幹の筋肉は、普通、腕や脚の土台の役割を担うので、

意識して動かすことが難しいものです。

踊りの中で、自由に動かすには、かなりの反復練習が

必要であろうと思います。


また、①~③の条件を体現していくためには、

ストレッチ運動を行うほかに、日常生活でも、姿勢に気を付ける

必要があるのではないかと思います。

例をあげるなら、座っている時の姿勢や、立ち方に偏りがあると、

腰方形筋に左右差や固さが生じてしまうことになるでしょう。

(厳密には、他の筋肉もですが。。。。)


①~③の要素がないと、どんなことが起こるかというと、

① → 動くたびに、フラつく。そもそも、動かせない。

② → 左右で振れ幅が違ったり、シェイクのテンポが遅い。

③ → 動きに柔らかさやしなやかさがない。表面の筋肉が
     
     緊張しすぎる。

といった状況になるでしょう。


肌を出す衣装が多いであろうベリーダンスは、上述の意味で


普段の身体のケアが、とても大事なのだろうと思います。

ごまかしが効かないダンスなんですね。





もし、ロルファーとしてサポートするならば、①~③の要素を

意識したセッションになるでしょうし、そうすることで、

上達を促したり、動きにしなやかさを

作っていくことが可能と考えます。



逆に言えば、ある程度、ベリーダンスに親しむことで、

①~③の要素を身体の中に作っていけるかも知れません。

それは、きっと股関節や腰の痛みの予防にも役立つことでしょう。

正しく行えるならば、産後の運動としてもいいのではないかなぁと

思いました。









2012年10月31日水曜日

歩行と ロルフィング®

ロルフィング®は、身体の再統合を

促すことによって、心身の“安らぎ”

だとか、“快適さ”が得られるよう

助けるとされています。


そしてまた、身体への教育法という

側面もあります。



『10シリーズ』と呼ばれる、ロルフィングの

基本となる10回のセッションを体験する

なかで、身体的に何を学べるのでしょう?



思い当るところを挙げてみると

・ 呼吸の仕方

・ 背骨の動かし方

・ 姿勢を保つ上で適度な力の入れ方

・ それまで、気づかなかった新たな感覚

・ 身体の軸の回旋運動を伴った歩き方

といったことが言えます。


そして、上に挙げたようなことが、

セッションを経験する中で、自然と身体が

表現し始めるのです。


元来、身体の軸の回旋運動を伴った歩き方などは

正常歩行として広く知られているものですが、

実際の歩行を見ると、身体の軸の回旋運動がない方も

多いものです。

そういった身体の軸の回旋運動がない歩き方が

身についてしまった理由は、様々だと思います。

怪我や文化的な制約から、本来の身体の動きが

出来なくなってしまった(一時的に忘れてしまった?)

という発想もできますし、個性とも取れます。


ともあれ、ひとつ言えることは、

歩行の際、身体の軸の回旋運動が自然と起こるような

身体の状態は、とても心地よいということです。


ただ歩くことが、楽しくなる!


そういった経験は、ロルフィング® ならではのものの

ように思います。




【関連記事】

  ロルフィング® こういった方に試していただきたい

  パーキンソン病と ロルフィング®

  痛みと ロルフィング®

  疲れと ロルフィング®

  身体認知と ロルフィング®

  筋ジストロフィーと ロルフィング®

  年齢と ロルフィング®

  呼吸と ロルフィング®

  



2012年10月18日木曜日

アフターサービス

ロルファーとクライアントとの

関わりは、基本的には

セッションの時間のみに

限定されるものです。



私、『ぽる』にとって、セッション終了時の

クライアントさんの身体の状態は、

『静かな水面』のようであってほしいと

思います。

“身体が調和され、心身共に静かに

落ち着いた状態”とでもいうのでしょうか。




セッションの後、身体がうまく

統合されるよう出来る限りの

配慮をしています。

しかし、現実問題として、お互いに

時間の制約があったりしますので、

セッション時間が限られてしまい

身体の調整が、すこし不足したなぁと

感じることもあります。




セッション後、身体の不調を感じたり、

何か気になることがあれば、随時、

電話やメールでのご相談に応じさせて

いただいています。

また、必要な際には、調整のためのセッションを

無料で提供させていただいております。




“愛情ある環境は、成長を助ける”という

アイデアが根本にあるからです。









2012年9月26日水曜日

脊柱の変形について 感じること

最近、セッションをしていて、

側彎、いわゆる猫背、ストレート・ネックと

いった、脊柱(背骨)の変形について、

いろいろと感じたり、考えたりすることが

あります。




よくあるのは、“観察される外観から予想する

苦しい箇所”と“ご本人の苦しい箇所”が違う

こと。(もちろん、同じこともあります)

形態の観察だけでは、不十分ということを

実感します。



そして、“力不足で背骨がゆがんでいるという

よりは、安定を保とうとして、ゆがんでいる”

傾向があること。

これは、“安定しすぎるが故の弊害”といえる

かも知れません。安定してしまったがために

本来の備わっている他の機能を活用できなく

なってしまっているといった印象です。



単純なストレッチや運動だけでは解決が難しい

理由が、上述のことと関連するだろうと考えて

います。

おそらく、身体の無意識な反応との関わりもある

ので、慎重に身体の感覚や運動にアプローチする

必要が出てきます。


身体の感覚を磨く手法とも言えるボディワーク的な

アプローチは、効果的といえるかも知れません。


そして、以上のような発想に至ったのは、やはり

ロルフィング®のセッションが、双方向性であり、

ロルファーとクライアントで作りながら進められる

ものであるからだと思います。















2012年9月15日土曜日

呼吸と ロルフィング®

身体の不調を感じて、セッションにいらっしゃる方の

中には、“呼吸を止めることがクセになっている”ように

見て取れる方が多い気がします。




“呼吸を止めるクセ”を自覚していらっしゃる方は

少ないのですが、どんな時に止めているかというのも

それぞれなようです。

・ 机に向かって仕事をしているとき

・ 階段を上り下りしているとき

・ 歩いているとき

・ 重いものを持ったとき

・ 寝ているとき

・・・・などなど


集中したり、心身にストレスが掛るような場面で、

無意識に息をとめてしまうようです。

“寝ているとき”は、病院で診断を受ければ

睡眠時無呼吸症候群ということになるのでしょうが、

寝ている間のことだけに、ご本人が自覚することは

少ないようですね。

呼吸の回数が少なくなったり、浅くなったりすると

普通は、息苦しさを感じますが、クセになっていると

苦しさに慣れてしまうようです。

身体には、二酸化炭素が増えてきて、ぼぉーっとしたり、

頭が痛くなったりします。



呼吸と姿勢との関連の中で、大事なことは、

“呼吸に関わるほとんどの筋肉は、姿勢を保つ役割も担っている”

ということです。

したがって、姿勢がわるいと、呼吸に必要な筋肉が固くなったり、

働きづらくなったりという状態が生じるようです。

身体の中では、いろいろな方法で、呼吸を補おうとするので、

普通、息苦しさを感じることはないと思います。


でも、セッションの中で、身体の固さがとれたり、姿勢が変化して

くるに伴い、“呼吸が楽”ということを感じる方は多いようです。

その時、初めて、“呼吸がしづらい状況があったこと”を自覚する

ことになるのですね。

ロルフィング®を受けて、「気分が明るくなった」とか

「気持ちが前向きになった」という感想を持たれる方がいらっしゃい

ますが、その要因として、「姿勢が整い、呼吸運動が改善することで

脳へ酸素が行渡り易くなる」ということがあるように思います。




【関連記事】

  ロルフィング® こういった方に試していただきたい

  パーキンソン病と ロルフィング®

  痛みと ロルフィング®

  疲れと ロルフィング®

  身体認知と ロルフィング®

  筋ジストロフィーと ロルフィング®

  年齢と ロルフィング®

  歩行と ロルフィング®  










2012年9月12日水曜日

年齢と ロルフィング®

年齢という側面からみて、ロルフィング®の対象とならない人は

いないと言われます。

試しに「Ida Rolf with baby」というキーサードでネット検索して

いただければ、ロルフィングの生みの親である彼女が

赤ちゃんにワークしている写真がすぐにみつかります。


実際、一歳に満たない子でも、身体に触れてみると

結合組織の固さの差はあるものです。




もちろん、高齢な方でも基本的に制限はありません。


高齢な方にワークする時には、例え本人が自覚していなくても

 ・ 骨粗鬆症、つまりは 骨のもろさ

 ・ 皮膚が弱くなることで、簡単に皮下出血が起きる

といったことには、十分に配慮してワークすることが必要です。


歳を重ね、背中がまるくなって、仰向けに寝ることさえ難しく

なっている方もいらっしゃいますが、そういった方が、

セッションの中で、少しずつ手足を伸ばして

仰向けに寝れるようになるのを見ると、ワークしている側でも

気持ちよさそうだなぁと感じます。


重ねた月日は戻すことはできませんが、姿勢がかわると

活き活きとして若くなったように感じられるから不思議です。







【関連記事】

  ロルフィング® こういった方に試していただきたい

  パーキンソン病と ロルフィング®

  痛みと ロルフィング®

  疲れと ロルフィング®

  身体認知と ロルフィング®

  年齢と ロルフィング®

  呼吸と ロルフィング®

  歩行と ロルフィング®

2012年9月10日月曜日

筋ジストロフィーと ロルフィング®

筋ジストロフィーという病気があります。

症状の特性によって、いろいろなタイプに分類されますが、

共通するのは、“筋力が次第に弱くなっていく”

ということです。



最近では、筋力を維持するための筋力トレーニングは

リハビリテーションの場では、あまり行われなくなって

きており、むしろ、やりすぎはよくないとさえ言われています。



手や足の筋力が得意的に弱くなるような方も

いらっしゃいます。


試しに動かしてもらうと、確かに、動くのみで

手のひらを開く(つまりは、指を伸ばす)ことが

難しい状況も、よく見受けられます。



しかし、そういった方に対して、結合組織を意識した

ロルフィング的なアプローチを行うと、手のひらを

開けるようになることがあります。

この効果の出方には、個人差もあるでしょうし、

効果の持続の時間も、病気のタイプや本来

残されている筋力の量によっても異なると思います。



しかし、いつもより軽く身体が動くという感覚は、

誰にとっても嬉しいものだということを、セッション後の

笑顔から感じたりします。




逆に、いわゆる健常な方のほうが、身体の感覚に

無頓着になっていることも多く、なんとなく、「?」的な

表情が顔に浮かぶ方もいらっしゃるのは、面白い

現象だなと思えたりします。





 【関連記事】

  ロルフィング® こういった方に試していただきたい

  パーキンソン病と ロルフィング®

  痛みと ロルフィング®

  疲れと ロルフィング®

  身体認知と ロルフィング®

  年齢と ロルフィング®

  呼吸と ロルフィング®

  歩行と ロルフィング®